そぬばこ

備忘録とか、多分そんな感じ。

Sansan を退職しました

2023年10月末でSansan株式会社を退社しました。

2021年4月に修士卒で新卒で入社し、約2年半ほどお世話になりました。 今思い返しても新卒として入社してよかった会社だと思います。 技術的な部分もビジネス的な部分も学ぶことができて非常に成長したなという実感がありますし、何よりも周りのメンバーに恵まれたなというのが一番ツイていたと思います。

やってきたこと

「研究員」という名目の職種で入社しました。 とはいいつつも、一般的には機械学習エンジニアと呼ばれる職種に近い業務をしていたと思います *1

大半は「ContractOne」と呼ばれる契約書を取り扱うプロダクトにおいて、契約書のデータ化を行うタスクに時間を注ぎました。 自然言語処理や画像処理といった技術検証はもちろんのこと、これらの技術を使った情報抽出を行うアプリケーション全体の開発に携わりました。 少し特殊だったことは、 Sansan のデータ化プロダクトの大半に人間のオペレータが入力するフローが存在することです。 これらのフローを考慮したり、オペレータのマネジメントを行うメンバーとの連携も重要な要素でした。 このような環境に身を置くことで、技術力だけではなく、他のメンバーとのコミュニケーションの重要性や、コストや KPI の重要性を多く学ぶことができました。

また、研究開発部という横串の組織において、(機械学習エンジニアというよりは) Python エンジニアという観点での開発生産性の向上に努めました。 当時まだ requirements.txt がほとんどを占めていた状況で Poetry によるパッケージ管理を推進してみたり *2 、structlog でログを構造化させてみたり、 reviewdog が叱ってくれる Python の CI の叩きを作ってみたり *3 しました。 今年は部の新卒研修の設計をしたりもしました *4。 前年度から環境構築の部分のドキュメントを整備してみたりと、研究開発部内のエンジニアにかなり協力してもらいながら、自由にいろいろうるさい人をやっていた感じです。 好き放題やってすいませんでした。

学会のスポンサーブースもいくつか運営のリードをさせていただきました。 今年は熊本にお邪魔したりしましたね。 Sansan には技術系のブランディングをメインで行うメンバーがおり、非常にお世話になりました。

転職について

元々、新卒のキャリアは3〜5年目の間に一区切りつけようと考えていました。 これは単に同じ組織に居続けて、井の中の蛙大海を知らずになることを恐れていたからです。 一つの会社で成果を出し続けることも非常に難しいことですが、果たして20代でそこに特化してしまっても良いのだろうか。 同じ会社にいて別のチャレンジをしても、それは果たして他でも通用するチャレンジをしたと言えるのだろうかと、人にとってはどうでも良いようなそういう面倒くさいメンタリズムが根底にはありました。

一方で実際に転職を決意したのはもっとポジティブな理由です。 機械学習を主軸にしつつ、今よりももっとエンジニアリング能力を伸ばせて、将来的にもっとプロダクトを前線で作っていくポジションを見据えて仕事が出来る、そんな絵に描いた餅みたいな環境を手に入れようと思ったからです。 就職したときからどういったキャリアを歩みたいのかということはずっと課題であり、分析もエンジニアリングも、なんなら研究よりの開発もなんでも出来そうなので新卒で Sansan に入ったというところがありました *5 。 もちろんやりたいアピールはかなりしましたし、だいぶわがままで面倒くさい社員だったという自覚はあります。 手挙げで挑戦を許容してくれる非常に良い組織ではありましたが、事業フェーズや現状の組織体制とは折り合いが合わない部分もあるなと感じ (あくまでも主観) 、新しい環境を求めました。

おわりに

転職活動の際には、友人知人含め様々な方々や会社様のお時間いただき、本当にありがとうございました。 11月1日からは、株式会社サイバーエージェントにて、機械学習エンジニアとして新しいスタートを切りました。 インターン時代のご縁もあり、結果的には一番最初に相談させていただいた会社にお世話になることになりました。 転職の決め手や現在取り組んでいることについては、差し支えない範囲で機会があれば文をしたためる日があるやもしれません。

最後になりましたが、前職の同僚の方々には本当にお世話になりました。 来年は Sansan のオフィスも渋谷に移転する *6 というところもありますが、物理的な距離もそんなに離れていませんので、ぜひ一杯付き合っていただければ幸いです。

*1:最近は募集要項も「機械学習エンジニア」と表記していますし: https://media.sansan-engineering.com/randd

*2:Poetry が正解だったのかは未だよくわかりませんが、社内 Poetry 芸人をやっていたおかげで主題じゃない記事で、 Poetry の Tips (今となっては古いバージョン) として参照されることがたまにありました: https://nersonu.hatenablog.com/entry/sansan-advent-calendar-2021

*3:そのうち在籍メンバーが記事を書いてくれるんではなかろうかと期待しています(ぶん投げ)

*4:今年は外に記事を出していて、最高の研修設計メンバーでした

*5:実際やらせてもらいました

*6: https://jp.corp-sansan.com/news/2023/0718.html