この記事はUEC Advent Calendar 2017の2日目の記事です。
前日はid:octopus_iMykさんの「ドーム友達を脱退した前田氏の理由が核心をついていない件」でした。
共同生活って難しい……
まえがきのようなもの
これを読んでいる電通大生のみなさんは、「基礎プログラミングおよび演習*1」等で、C言語のコーディング方法から、コンパイルして実行する手順を学んだ、もしくは学んでいる最中であろうと思います。
例えばemacsやvim等のエディタ*2を開き、C言語のコードを書きます。その後、gccを使ったりして、コンパイルして実行していることでしょう。
しかしながら、IDE*3を用いてJavaからプログラミングを学んだ私にとっては、この手順が非常に面倒に感じたものでした。
そんなこともあり、日頃からC言語を使えるIDEをいろいろ探していました。Microsoft Visual Studioを試したりしましたが、どうも肌に合わないようで、うんうん唸りながらnanoのシンタックスハイライトのカラーリングを変え続ける日々が続きました。
運命の出会い(?)
ある時、Javaでコーディングをしていると、IntelliJ君がふと、目につきました。
IntelliJはJetBrainsが世に送り出している主にJava向けのIDEです。私は学生の特権*4を用いて、Ultimate版をしっかり確保していました。
ここらへんの詳しい話は12/23にudoooom君がしてくれるかもしれないので、割愛します。簡単に説明すると、よくある学生にはタダでライセンスをくれるってやつです。JetBrainsは本当に太っ腹だなぁ。
何気なくそのJetBrainsのHPを眺めていると、CLionという文字が目につきます。
なんだこれは、ライオン? がおー*5。
CLionとは
前置きが長くなりましたが、今回紹介するのはCLionのお話です。
CLIonとは、JetBrainsが提供するC・C++向けのIDEです。UIは非常にIntelliJに近く、普段からIntelliJを使っている人にはオススメです。
もちろん、こちらも学生の特権を使えば無料で手に入れることができます。気になった方は、早速JetBrains様に学内メールアドレスを献上してみましょう。
ここから先は、I科とⅠ類の計算機室であるCeiEDでの導入の手順を軽く紹介しますので、ぜひ。
CLionを導入しよう
CeiED以外の他環境では導入手順や、設定等に違う点があると思いますので、ご留意くださいませ。
1. ダウンロードする
まずはダウンロードしなきゃ始まらない。
https://www.jetbrains.com/clion/ でダウンロードしましょう。
Linux版だと.tar.gz
のファイル形式で手に入るはずです。
2. 解凍しよう
圧縮ファイルは解凍しないと始まらない(?)
CeiED標準のfirefoxでダウンロードしたならば、ルート直下のダウンロード
ディレクトリにあるはずです。
解凍は好きなやり方でいいですが、こんな風に
$ tar -zxvf CLion-2017.3.tar.gz
とでもしてやれば出来ると思います。
解凍したものをそのままダウンロード
ディレクトリに置いておくのもアレなので、好きなところに移動させておくと良いでしょう。
3. 起動しよう
起動しなきゃ始まらない。それはそう。
解凍後はclion-2017.3
とかそれに準じた名前のディレクトリになっているはずです。その中にbin
があり、bin
の中にclion.sh
があります。
$ cd ~/clion-2017.3/bin/
$ ./clion.sh
こいつを叩いて起動しましょう。簡単ですね。
起動直後はライセンスの確認があるので、JetBrains様にもらったものを使いましょう。
導入は以上です。お疲れ様でした。
CLionを使ってみよう
では、早速CLionを使ってみましょう。File
-> New Project...
でプロジェクトを新規作成できます。
例えば、C言語で何かやりたいならば、C Executable
を選びます。プロジェクトを作成する場所を指定し、Language standard
はお好みで。
C90とかC99がわからないという人は、一度自分で調べてみてください。
あとは右下のCreate
を押せば、プロジェクトが作成されます。
作成したプロジェクトには、いわゆるHello, Worldプログラムのmain.c
、CMakeLists.txt
、あとはCLIon君が勝手に生成したファイル群があります。
早速右上のスタートボタンか、Shift+F10
でプログラムを動かしてみましょう。画面下部に"Hello, World!"と表示されていれば問題はありません。
CMakeってなんですか
さて、もうCLionを使える状態にはなりました。しかし、CMakeList.txt
って何やねん。と思われた方がいらっしゃると思います。
実は、CLionはCMakeと呼ばれるビルドシステムを採用しており、つまるところCMakeList.txt
というのはそいつの設定ファイルと思ってもらえればよいです。
記述方法もそんなに難しいものではないので、軽く説明しておきましょう。
今、CMakeLIst.txt
をCLion上で開くと、以下のようになっていると思います。
cmake_minimum_required(VERSION 3.9) project(Project_name C) set(CMAKE_C_STANDARD 90) add_executable(Project_name main.c)
これを見て、ああ、add_executableにファイルを追加していけば、いいのかな。くらいわかれば、もうどうということはない(?)気がします。
実際、新しくsub.c
を追加したいならば
add_executable(Project_name main.c sub.c)
と、してやればいいです。
あと、電通大生の皆さんはやはり、-Wall
といった警告オプションや、-O2
などの最適化オプションを使いたい! と考えると思います。
CLionでも、もちろん可能です。こういうときは
add_definitions("-Wall -O2")
と、一行追加してあげましょう。
また、電通大生の皆さんはやはり、数値計算を講義や実験で行う時に、math.h
といった数式ライブラリを使わなきゃ……と、常日頃思っていることでしょう。
こういう、ライブラリを引っ張ってくるときは先のような方法ではなく
target_link_libraries(Project_name m)
と、すればオーケーです。上記は、math.hをリンクした例です。
その他、詳しく知りたいのであれば、まずはCLionのHelpにあるCMakeのチュートリアルをやってみるのをオススメします。 www.jetbrains.com
おわりに
いかがでしたでしょうか。CLionを始めとしたJetBrainsのIDEはUIが非常に好みで、使いやすいと感じています。
なんといってもIDEを使うメリットは
などとあり、作業の効率化につながると考えています。
今回はLinux版の導入に触れましたが、WindowsとMacにも対応していますので、IntelliJを入れるついでに、導入してみてはいかがでしょうか。
ちょっと気になるな……と、思われた皆さんはぜひCLionを使ってみてください。
これからガンガン使っていくぜとなった方は、ここに書いていないような設定のアレコレも、時間の許す限り触ってみて欲しいと思います。
よきコーディングライフを。
明日はid:Kniumさんです。
UEC Advent Calendar 2016の作成者ですね。お楽しみに。